ショートショートじゃない短編小説その1 自己紹介のおから
今日からブログをつけることになりました。
マソソソマソソソです。
https://masososomasososo.hatenablog.com/
↑検索しにくい場合はURLをコピペして貼って入って頂ければと思います。
ネットにショートショート
https://short-short.garden/P-lectureが載っていて
面白そうなので、頭の体操がてらに、
徒然なるままに書いて載せようかと思います。
タイトルはランダムで選択して、即席で
ショートショートにならない短編小説を書いていこうかと思います。
今日はその1回目。
以下、こんな感じです。
タイトル:自己紹介のおから
ぼくは、おから。名前はまだ無い。
レペゼン豆腐屋の21歳。東京は下町浅草のてやんでえべらんめえの巣窟からぼくは産まれた。
母ちゃんは腐りかけの大豆、父ちゃんはマルエツの割引価格のついたおつとめ品の安い野菜。そのハイブリッドがぼくだ。
ぼくの終着点は、肉の脂を吸いまくる偏食好きのデブガキの口の中。
モヤシ、ニンジン、ヒジキ。ぼくの父ちゃんはなぜかめちゃくちゃ多い。大豆である母ちゃんは全てを包み込み、ぼくを形成するが、そのデブガキの口に運ばれる刹那、ぼくの生涯は終える。多夫一妻制という特殊な環境で揉まれたぼくは、
「えーおからなんか食べたくない、嫌だよ〜」
と泣き叫ぶデブガキの箸の上で遺言を考える。21年もの間、浅草から思えば遠くへ来たもんだ。
デブガキとデブガキの母親とのやり取りに正直溜息をつき続けること10分、嫌なら食べなきゃいいのに、最期がなんでこいつなんだよ、と思わず愚痴をこぼす。
箸からぼくの一部をこぼしながら、デブガキの唾液、鼻水、涙にまみれてぼくは新たな世界へ飛び込む。胃液だらけの世界でぼくは無になる。